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くらげ男の日々

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01/14/16:14  無題

成人、おめでとう。
もう、何年も会っていないので、お前と道ばたですれ違ってもお互いに気づかず行ってしまうことでしょうね。

20年前、横浜愛児園でお前は生まれたのでした。
父がガラス越しにのぞいた時、まだ見えない目をこちらの方にむけて、確かにお前は父を見つめていたのです。

父はその時のことをまるで昨日のことのようによく覚えています。

父と母は、横浜で出会い、一緒に暮らし、お前を育て、そして別れたのでした。

父と母が別れてからも、月に1,2度、お前と会いましたね。

24時間保育の伊勢佐木町保育園でお前を引き取り、次の日が平日なら朝、しろばら保育園に送っていき、休日なら一緒にホットケーキを作って食べたのです。

そして、一緒に横浜橋商店街へ買い物に行ったあと、大通り公園の児童公園にあった砂場のまわりで、2人して落ちているBB弾をどちらが多く見つけられるか競争するのがならわしでした。

白は1点、黄色は3点、オレンジは5点、などと点数を付けていたのをお前は覚えていますか?

5歳のお前はコトブキのカツカレーを残さず食べたのはいいが、限界をこえて食べたために、店を出てすぐのかどのところで、ウーッとうめいたきり、うずくまって動けなくなったこと、

阪東橋公園であれほど水に入るな、と言っておいたのに、気づいたら知らない子らと当時あった池に腰までつかってキャッキャと遊んでいて、父を途方にくれさせたこと、

保育園で時々行くのだという、中村冒険パークに父を案内し、長ーい滑り台を滑り終えると、得意げな顔を父に向けたこと、

森林公園の芝生で、すっかり暗くなるまでボールをけって遊んでいたこと、

父はみんなよく覚えているのですが、お前はきっと何も覚えていないことでしょう。

父にお金が無いことをうすうす気づいていたのでしょうか、あの時のお前は、父が何か買ってやろうとすると決まって、
「いらない、いらない」と大声で言うのでした。

喫茶店で、「パフェ食べる?」と聞くとお前はかたくなに「いらないいらない」と言うので、お前にクリームソーダ、自分にパフェを注文し、パフェを一口食べた後、
「もう父はおなかイッパイだからよかったら食べる?」
とパフェをお前の方にやると、お前はパクパクとおいしそうに、きれいに平らげたのでした。

いつもはいていたズックがきつくなり、かかとを出して歩いていることに気づいていた父は、伊勢佐木町ユニーのワゴンセールで子供用のスニーカーが980円で売っているのをみつけ、
「買ってあげようか?」
と聞くとやっぱり、
「いらない、いらない」と父の手を引っ張っていこうとするお前の姿を見ていると、なんだかとても悔しくなって、強引にスニーカーを買ってはかせたことがありました。

生まれてはじめて底の厚いスニーカーをはいたお前は、
「飛んでいるみたいだー、飛んでるみたいだー」
そういいながら父のまわりを人工衛星のようにぐるぐると回っていたのです。

そして、その軌道の真ん中で、父は泣きべそをかいていたのでした。

実は父は今でも横浜橋商店街のあたりをよく歩いているのです。
歩いていると、ここでお前があんなことを言っていた、こんなことをしていた、などとよく思い出すのです。

それで父は、こんなように昔のお前とのことをよく覚えているというわけです。

父はお前が無事に成人を迎えられたことがとてもうれしいのです。
それでお前がとっくに忘れているであろう、これらのことをどうしても残しておきたくてこれを書きました。

おめでとう。
父より

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